コロナ19重症化リスク要因
"糖尿"に対する誤解と真実
大田乙支大学病院 内分泌内科 ホン·ジュンファ教授

コロナ19の死亡者と合わせて最も多く耳にする言葉は"基礎疾患"でしょう。 死亡者の大多数が基礎疾患があったことが確認されているためです。 1人当たり平均3つの疾患をもち、3人に2人は高血圧、半数は糖尿病を患っていたことが分かっています。

そのため糖尿への関心が高まっています。 血圧については、公共機関や金融機関などに血圧測定器が多く設置されており、140/90以上という数値化された基準もありますが、糖尿については、血液や尿検査での確認が必要なためです。 また、糖尿といえば"砂糖"を思い浮かべ、甘い物の過剰摂取により生じた病気と考える人も多くいます。

大田乙支大学病院内分泌内科のホン·ジュンファ教授のアドバイスより"糖尿に対する誤解と真実"を調べてみましょう。

Q1. 糖尿は甘い物をたくさん食べると生じる?

砂糖や甘い物をたくさん摂ると糖尿病になると勘違いしている人が多くいますが、甘い物が糖尿病の発病の直接的な原因ではありません。
人が生きるために必要な様々な栄養素のうち、最も重要な燃料の役割を果たすのがブドウ糖、つまり血糖です。 食べ物から吸収したグルコースは血液を通じて移動し、生命に必要な筋肉と脂肪、脳など重要な臓器に送られますが、ここで重要な働きをするホルモンがインスリンです。 このインスリン作用が減ったり不足したりすると、糖尿病が発生します。
このように血糖は私たちの敵ではなく、必ず必要なエネルギーです。 必要なだけ適度に利用できる方法が、糖尿病管理の基本といえます。 糖尿治療は、血糖調節による合併症の予防だといえます。

Q2. 糖尿は遺伝する?

親が糖尿病だからといって、必ずしも子どもが糖尿病になるわけではありません。 どちらかの親が糖尿の場合、子どもに糖尿が生じる確率は15パーセント、両親ともに糖尿なら確率は30パーセント程度です。 つまり、遺伝的な傾向はありますが、皮膚の色のように代々伝わる遺伝病ではありません。 しかし、家族に糖尿病患者がいる場合、 他人より健康管理により気を使う必要があります。

Q3. 痩せ型の人は糖尿病にならない?

肥満が糖尿の重要な原因であることは事実です。 しかし、急激に経済成長したアジア諸国では、肥満に関係なく西欧化した食習慣と栄養分の過剰により、糖尿病有病率が急増しています。 これは、韓国人は欧米人に比べてインスリン分泌機能がより少ないため、栄養過多状態に耐えられず、糖尿病がより早く発生するためです。

Q4. 糖尿患者は雑穀ご飯だけを食べるべき?

最も多く出回っている誤解のうちの一つです。 実際には、白米も麦飯も胃で消化されれば、カロリーと作用にあまり違いはありません。 ただ雑穀は食べ過ぎを抑え、数種の繊維質と若干のビタミンを含むため、白米より勧められています。 ですから、特に麦飯が好きなわけでなければ、好きでない麦飯を無理して食べるよりは、白米をおいしく炊いて適量食べることをお勧めします。

Q5. 砂糖は絶対禁物?

糖尿病患者は絶対に砂糖や糖分を食べてはいけないという人がいますが、これも事実ではありません。砂糖や糖分は血糖値を高くしますが、だからといって食べていけないわけではありません。 その日の献立内で糖分の量を調節すれば、安全に砂糖を摂取することができます。

むしろ、糖尿病患者が必ず制限しなければならない食べ物は、脂肪がたくさん入ったカルビ、サムギョプサル、ソーセージなどです。 これらは少ない量に対しカロリーが高いためです。

Q6. 特に症状がなければ病院に通う必要はない?

自宅でセルフ血糖測定器で血糖測定をすれば、病院に行って血糖検査をする必要がないと考えがちですが、セルフ血糖測定器で測定した血糖値は実際より低く測定されることがあります。 病院で血糖検査を受け、セルフ血糖測定の結果が正確なのか定期的に比較しなければならず、血糖調節がうまくいっているのかを調べるため、糖化血色素も測定する必要があります。

Q7. 糖尿の薬は一度飲み始めると一生止められない?

一度薬を飲み始めると薬を止めることができず、薬が強く副作用が生じる恐れがあるという憂慮から、治療薬を拒否する人がいます。 一旦薬を服用し始めたら本当に止められないでしょうか。 違います。治療さえしっかり受ければ、薬を止めても正常血糖を維持できます。 薬の副作用が1なら、血糖調節で得る利得は10ということを肝に銘じなければなりません。

Q8. 糖尿病患者は運動をしてはいけない?

運動は血糖値を調節し、合併症の危険性を抑え、体重管理にも役立ちます。 ただ、糖尿病患者がむやみに無理な運動をすると、低血糖などの危険要因があります。 したがって、運動の種類や程度、回数は専門医の所見及び個々人の健康状態に合わせて調節しなければなりません。

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