千差万別な歩行習慣、健康的に歩く方法は?

人により顔や体格、性格が違うように歩き方も様々です。しかし、歩き方の場合には個性であるというよりは、健康に直結している問題であるため、一度自分が正しく歩いているのか調べてみる必要があります。誤った歩行習慣は肩や背中、脊椎、足などに悪影響を与えることがあるからです。

Q1. 様々な歩き方、矯正方法は?

靴を引きずってズルズルと歩く人がいます。パーキンソン病のように運動調節が難しい患者に見られる歩行形態ですが、正常な人の中にも腹部肥満でお腹が出ている反面、お尻の筋肉が弱い人に、靴を引きずってズルズルと歩く歩行習慣がある人がいます。また、腹筋が弱い若い女性の中にも多く見られます。このようなタイプに該当するならば、顎を上げて30m前を見るようにし、歩く時にはかかとから着地するよう努力しなければなりません。勿論、腹部肥満を解消することも大切です。

モデルのように上半身を後ろに反って両足を交差させるように歩く人は、重心が後ろに傾いているので不安定で、肩がこることもあります。脊椎が曲がっているように見え、カバンを片方の肩にだけかける人にも多く見られます。このようなタイプならば、下腹をそっと押しながら体のラインを自然に真っすぐにするようにしなければなりません。膝の間隔も少し開いて歩くのがよいです。

ペンギンのように左右に揺れながら歩く場合もあります。歩きながら他の人によくぶつかるならば、このタイプに該当します。このようなタイプは顎が上がっているケースが多いので、顎が正面を向くようにし、胸を張って歩くことが重要です。

Q2. 誤った歩行習慣が与える悪影響は?

誤った歩き方は見た目が悪いだけでなく、エネルギーの消耗が多く体が疲れやすいことがあります。また、そのような姿勢で歩き続けると足首や膝の関節、股関節の退行性変化と痛み、骨盤の異常、脊椎疾患などを誘発することがあります。なので早めに異常な歩き方の原因を把握し、適切な矯正またはリハビリ治療を受けなければなりません。

ハイヒールをよく履く女性や偏平足、外反母趾の人は特に歩き方に注意しなければなりません。かかとの高い靴をよく履く女性は立ったり歩く時に体重がつま先と内側に傾き、偏平足や外反母趾の場合にはその程度がひどくなり、足指の付け根や親指に痛みが生じることがあるからです。この場合には、ハイヒールを履く回数を減らし、周期的なストレッチと歩き方の矯正で症状が好転することがあります。

また、腰を後ろに反らし足を外側に向けて歩くガニ股の場合には、椎間関節(Facet joint)に炎症が生じたり脊柱管が狭くなって腰痛が生じる可能性が高いです。

この他にも、両足の長さに差が生じる特別な問題がないにもかかわらず、歩く時に左右が対称にならない「マルアライメント症候群」で病院を訪れる患者が増えています。

歩く時、片方の足が着地する際に大きな音がしたり、常に靴底が片方だけすり減ったり、かかとの内側または外側だけすり減るならば、本人に自覚がなくても専門医に相談してみることをお勧めします。

Q3. 正しく歩く方法は?

「歩く」こと自体はとても簡単なように思えますが、下肢の全筋肉と関節の動きが調和し、同時に立って体の重心を移動させる複雑な過程です。それだけ正しい姿勢で歩くことはとても重要です。理想的な歩行は、左右や上下の揺れが自然で、長距離を歩いても足の裏に激しい痛みがないことです。また、かかとから着地し足の中央部(外側の端)、つま先の順に足を付けて歩くのが望ましいです。

胸、背中、肩を広げて体と地面が垂直になることも重要です。視線は顎を引く感じで正面を見て、腕の角度はL字またはV字で自然に振りながら歩き、腕の前側の筋肉が緊張し過ぎないようにします。

歩幅は普通は自分の身長から100cmを引いた長さが一番安定的で、歩く効率を高めようとする時には本人の体力に合わせて速度を調節するのがよいです。

出所 | 大田乙支大学校病院 イム・ジョンヨプ教授

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